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□code:rain
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「―――ッ、寒ィ…。」



季節はずれの雨。
冷え切った身体をぶるりと震わせ、夢から引きずり出された早朝。



「(…帰ってたんだ、)」



隣では、昨日の夕方から外出していたはずの久保田が、規則正しい寝息を立てていた。
ベッドで横になって漫画を読みながら彼の帰りを待っていた時任は、いつの間にか眠ってしまっていた自分にうらめしい気持ちを抱きつつ、ふと、暖かい毛布にくるまれ穏やかな表情を見せているこの男が、少し憎らしいように思えてきた。



「自分だけ、ずりぃぞ…」



自分の寝相の悪さで毛布を蹴飛ばしていたことは棚に上げ、ぼそりと理不尽な悪態をつくと、一番寒さを感じていた足を、そろそろと久保田が寝ている毛布へ忍び込ませる。
徐々に温もりが近づいてくるのを感じながら、つま先をピンと伸ばし、久保田の足に触れてみる。



「んッ………」

「(やばっ、起きたか…?)」



久保田は一瞬ピクリと反応したものの、大きな呼吸を立てながら、仰向けに寝ていた身体を時任の方へ向き直すと、再び安らかな寝息を立て始めた。
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