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□この世でイチバンこわいもの
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「…っげ!
久保ちゃん、それ、それ…ッ!」
「…ん?
ああ、こいつ?
時任、虫、苦手な「いいい゛〜から、早く、どうにかしろぉぉぉ!」
「…ハイハイ。
これでもう、カーテンで覆っちゃったから、勝手に出て行くよ」
「……ふーっ、マジでビビった…」
「天下の時任サマも、羽虫でビビっちゃうとはねぇ」
「なんか、怖ぇじゃん?フサフサしてる感じとか…」
「うーん」
「腹がコロンと丸い感じとか…」
「…そう?」
「とにかく、ニガテなもんはニガテなのっ!」
「でもこの間、アゲハ蝶捕まえようとしてたじゃない?」
「んー、俺も不思議なんだけど、蝶は大丈夫なんだよな…」
「生物学上は、ほぼ同類のはずなんだけどねぇ」
「…久保ちゃんは?」
「うん?」
「これだけはダメ!とか、怖いもんとかって、あんのかなーって」
「そうね…ヒミツ?」
「あっ、ヒキョーだぞ!」
「だってぇ、今のは時任が騒いで自白したようなもんでしょ?」
「ぅぐっ…!
…ちぇっ、なんか損した気分」
「じゃあ、いっこだけヒント」
「お、マジかよ!
なになに?」
「ロミオとジュリエット」
「…はぁ?
なんじゃそりゃ」
「んじゃあ、TSUTA●Aにでも行きますか」
「んぁ゙ーもうっ、ますますワケわかんね!」
ニガテなモノはニガテと
拗ねたキミ
背骨を、切り取ってしまいたい気分
闇の中、光を求めてさまよう僕も
夜光虫なのだろうか
fin.