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□ownership
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「これはまた、随分と…、」



「…でしょ?

まぁ、目立った外傷はないみたいなんだけど、もう丸三日、おネムでね。

…それに」



「この手、ですね」



「そゆこと」



「…例の新種のドラッグ『W・A』に、獣化した手を持つ少年、ですか…。」



「さっすがコウさん、話が早いね」



「その情報に関してはたぶん、現段階では、あなたと同じものしか持ち得ていません。
新しいモノを仕入れ次第、ご連絡しましょう」



「どーも。

…で、どんなカンジ?」



「仰るとおり、特に目立った傷はありませんし、この手以外に関しては、問題ないようですね。
疲労と、精神的なショックによる昏睡状態のようですから、そのまま安静にしていて下さい」



「…ほーい」



「―――このまま、『飼う』おつもり、ですか」



「…さぁ、どうかな」



「難しいですよ、一度飼われてから捨てられた猫は。
それも、鑑札付き…」



「………逃がす方が、悪いっしょ?」



「……………。

おや、巧く逃げましたね、久保田君。」







白紙の、帳が欲しかったのかも知れない

例え一度書き殴られたものでも

所有者の手を放れれば

汚された頁は
千切って棄てられる


ただ、描いた軌道をみせてくれる

自分だけのカンバス







 (…ごめんね?
 俺なんかに拾われちゃって)







continue…?
 

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