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□Smoker is Joker
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今日も、君の匂いが染み着いたこの部屋で目を覚ます
久保ちゃんの、
生きてる匂い。
「…オハヨ、時任」
相も変わらず、ベッドサイドに置いた棚に手を伸ばし、寝ぼけ眼でセッタをふかして、確かめてる。
白い煙が、
酸素と混じって、
フィルター通って。
口腔。
喉頭。
気管支、
その先っちょにぶら下がってる肺胞、
毛細血管。
そこまでいったら、
動脈通って運ばれてくる二酸化炭素と結ばれて、
もと来た道を、戻ってくんの。
アイツの肺を黒く犯して、
白いまんまで戻ってくる。
俺の気も知らないで、呑気にユラユラ。
あーあ、
「…ばーか。」
「………?」
今日も、君が漂う真っ白な部屋で
悪態と愛情を持て余す
fin.