駄文(短編)
□落とし物にご注意
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「あれ?…これって」
ふと廊下を歩いていると見慣れた仮面が落ちていた。
ヒョイと拾い上げるとVの字から向こう側が見える。
見間違えることも難しいそれは確実に
「メタナイトの仮面じゃん」
落とし物にご注意
あのメタナイトが仮面を落とすなんて今日は空から亜空軍でも攻めてくるのか…それくらい信じらんないことだった。
食事の時だって仮面を外さないのだ(どうやって食べているんだろうか…?)。
寝ている時だって不法侵入までして見に行ったが付けたままだったのだ。
まさに仮面は身体の一部だと言わんばかりに。
本当に珍しいこともあったもんだ…。
自然と口端が持ち上がる。
ニヤリと悪巧み開始だ。
我ながら嫌な性格してると思う。
「暫く仮面かーりよっと!」
サイズの合わない仮面を顔にくっ付けながらあたしは廊下を駆けていった。
そろっと食堂の扉から中を確認するべく顔を覗かせた(仮面付けたままで)。
「あー…ダリィ…肩ちょー凝ってんですけどぉ」
「マルスさん、そんなのまだいーですよ。僕なんか筋肉痛ですよぉ…背中と羽の付け根らへんがぁ」
食堂のテーブルに肘をつきダルそうに頬杖をつくのはさながらウザい女子高生状態のマルスとピットだった。
何てリアルな女子高生気取ってんだよ。
てゆーか背中と羽の付け根って…筋肉痛なんの!?
計り知れない天使の苦悩を気になりつつ受け流すことに決めて脱力感満載の2人を脅かしてやろうと思った。
ちょっと大きめの声をあげて脅かしてやろうと思ったその時
「話変わるんだけどさぁー…メタナイトのあの仮面ってどー思う?」
思わず出そうになった声をグッと声を押さえた。
「すごく話変わりましたね…ぶっちゃけ言っちゃうとセンス最悪」
「だよねー。僕もずっとそう思ってたんだよね。大体なんで目のとこV字なわけ?かっこよくねぇっつーの」
「あはははっ!言えてる。でも1等身だし、目と目の幅か遠いから仕方ないんじゃないですかぁ?丸いし」
「メタナイトのメタはメタボリックのメタってね」
『あはははっ!』と凶悪な笑い声が食堂に響き渡った。
2人のゲラゲラ笑う様子を影から見ていると何だかメタナイトが気の毒になり、あたしは食堂を去ることに決めた。
恐ろしいし女子高生の様に悪口を言っていた仮にも仲間をあたしは冷たい視線を送ってやった後に、このことは誰にも言わないでおこうと誓った。