貴方と見る夢・・・

□泣き虫な君へ・・・
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今日・・・俺の一番愛しい人が




死んだ・・・




死因は不治の病だった・・・


彼女は自分の身体がそんなに永くない事を薄々感づいていて俺に心配されたくないからか平気な素振りを見せ

病院さえ


『行かない』

『行かなくても何ともない』

と言い張り眩しいほどの笑顔でいつも誤魔化した




その度に俺は君につくづく弱いんだと思いしらされる





そんな彼女が今、俺の目の前で白い布団に横たわって

前身を白に包まれ
顔には白い布を被され

全てを白に包まれ静かに・・・冷たく、深い眠りについている・・・

 
俺は涙を我慢したけど、やはり我慢しきれず涙が零れた・・・


「・・・・・・っ」


名無しさんちゃん・・・




「・・・オイ・・・山崎・・・」


「あっ、は、はい・・・!何でしょう?副長・・・」


急に呼ばれたので驚いた・・・いつからいたのだろう・・・泣いてるとこ見られたかもしれない・・・




「コレ・・・預かりモンだ」



そう言って副長は自分の懐から何かを出し

それを俺に渡してきた


「これは・・・」



手紙・・・?みたいだ

俺宛に名前が書いてある・・・


「アイツによ・・・自分がいなくなったらお前に渡して欲しいって頼まれてたんだよ」


 
「・・・っあ、ありがとう・・・ございます・・・副長・・・っ」






 「おぅ」


必死に涙を堪え御礼を言う俺に背を向け副長は一言だけ返事をし俺を一人にしてくれた


そんな副長のぶっきらぼうだけど男らしい気遣いがまた、目に染みた・・・

ありがとうございます・・・!



俺は言葉にはせず心の中で力一杯お礼をした


副長が去って行った襖へ向かって


力一杯の感謝の土下座を・・・
 
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