APH夢
□ほあたっ!
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ある時白い翼を持った天使が目の前に現われて、日々の生活が敬虔である私の願い事を何でも叶えてくれると言った。
神々しいオーラを放つ美しい金髪の天使に、私はニコリと微笑みを返す。そうしてたった一つ、どうしても願って止まない希望を天使に告げた。
たった一言、「今直ぐ国に帰れ」・・・と。
「何っだよソレ!そんなんじゃわざわざ俺が出向いて来てやった意味がねーじゃねぇか!」
「じゃかっしゃあこの不審人物が!何でこんな真夜中に私の部屋にいんだコラ!その内お前ん家の庭に生えてる薔薇全部引っこ抜いてやるからな!」
「そう言う嫌がらせすんじゃねえよ!あれ手入れすんのすげー大変なんだぞ!?
・・・っていきなりこんな不毛な言い合いをしてても埒が明かないな・・・何でも良いから本気で願い事しろよ。この役目果たさないと俺帰れねぇんだから」
「意味判らんわ・・・ああもう何でスペインに恨まれてるアンタがスペインとこ来て私に構って来るのか理解できん・・・!」
「いやフィンがお前にクリスマスプレゼント渡せなかったからって俺に頼んで来たんだよ、何か奇跡的なもの起こしてくれって」
「え?フィンってあの、フィンランド君?ああ・・・そういえば今年のクリスマスは日本さんとこの神社巡りしてたからなぁ・・・」
去年の私はテレビで見たお遍路さんに憧れて、ちょっと真似事でもしてみようと休日返上であちこちの神社やら寺やらを徘徊していたせいか、基本クリスチャンのお祭であるクリスマスに参加をしていなかったのである。しかしそのせいで私にプレゼントを配れなかった事を気に病んだのはあの人の良さそうなフィンランド君らしく、どう言う経緯があったかは知らんがその穴埋めにイギリスなんぞにこんな怪しげな格好をさせるミッションを頼み込んでしまったらしい。
正直クリスマスなんて二週間以上前に終わってしまっているし、余りに仏教MAXな場所に好んで出没していた私にそんな義理立てをする必要なんて無いように思われるのだが・・・それでもこの迷惑な夜襲があのほんわかした青年の好意であると判った途端、心の中で所謂『心境の変化』が生まれてしまったのだから不思議なものである。
「うーん・・・でもこんなバッタモンみたいな天使に何を願えと・・・」
「おまっ、バッタモンとか言うなばかぁ!」
「あーすんまっせんね。じゃあアレだ、何か・・・うん、スペインのエロさを取り除いてよ。」
「・・・は?スペインのエロさを取り除く?」
「そうそう。いやースペインって凄い良い人だし良い男だし良い親分なんだけど、いかんせんちょっとナチュラルにエロ過ぎてさ・・・お恥ずかしながらこっちも身が持たないっていうか今日だって一人で寝る為にスペインの夕飯に軽く睡眠促進剤混ぜて奴を眠りに誘う努力してきたんだよハハハ」
「あ・・・うん、そうか・・・。な、何かすっげー微妙な願いだけどそんなに必死になるなら・・・サンタには絶対貰えねぇプレゼントだしな・・・」
「うん・・・ていうかスペインにクリスマスプレゼントで夜の四十八手指南書と媚薬あげるのも二度と止めるようフィンランド君に言っといてね・・・」
「そ、そんなもんやってたのかフィンの奴・・・!つかあいつも貰って嬉しいもんやるんだからスペインもかなり・・・いやまぁそれは良い。
とにかく、俺が叶えるって言ったら本当に叶うんだからな!明日を楽しみにしてろよ!」
『ほあたっ!』
そう言って謎の掛け声と共に装備していたステッキを振ったブリタニアエンジェル(?)は、仕事を終えた満足感に気を良くした顔をして現われた時と同様に音も無く何処かへと消えていった。しかし目に見える変化のない願い事なので、実際に叶ったかどうか判らないまま布団に入った私は結局確かめる術も無いままにこの日は眠りに落ちてしまう。
けれどそれから数日に渡り、スペインのハアハア言う声を聞かなくなった事に気付いて・・・思ったよりもブリテンが凄かった事に素直に感動した私は、遠く離れた地にいるだろうイギリスとフィンランド君に多大なる感謝の念を送りまくったのであった。
・・・・・大体一週間くらいは。
END
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でも暫くしたら元に戻っちゃって、お預けしてた分酷い目に遭ってればいい^^←
親分はえろす!