拍手有難うございます。
これからもほのぼの、なごめる銀新を書いて参りますので、どうぞ宜しくお願いします。


↓お礼文


注意!!
1)これはにょたぱちです。
2)子供産みました←
3)続きものです。初めてご覧いただくかたはこちらからどうぞ。


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先に走るは、黒髪の子供。

「おっそい!なにトロトロしてんのよ!」

後ろを走るは息をきらした銀髪のオッサン。

「ちょっ、おまっ、大人はそんなに身軽じゃいられねーんだよ!」

「あ、自分がオッサンって認めちゃう?認めちゃうんだ」

キシシといやな笑みを浮かべる子供。

「なっ・・・!んなことねーよ!まだまだピッチピチなんだよ!!」

「じゃあ、さっさと追いついてみな〜」

たたたっ、と黒髪を靡かせて少女は逃げてゆく。

「あんのクソガキ!誰に似たんだ、コノヤロー!!」

銀時は額の汗をぬぐうとまた全速力で駆けていく。



その大分後ろ。
銀髪をふわふわとさせて、道端の花を右手に握る子供。
左手は黒髪の青年と繋いでいる。

少年はつぶやく。

「お父さんだよね。お父さんに似たんだよね。お姉ちゃん」

「そうだよね。お父さんとお姉ちゃんそっくりだもの。見た目は僕に似てるのになあ。おかしいなあ」


新八と少年はため息をついて、小さくなる銀時の背中を見た。




まさかの アナザーストーリA



新八が男の子と女の子の双子を産んでからもう4年の月日が経った。

出産のとき、銀時が着流しをズボンにINしたまま慌てて分娩室に駆けつけたのは良い思い出だ。当時の写真の銀時はおしりのあたりがINした着流しでもっこりしていた。




双子は驚くほどに、二人に似ている。


一人は黒髪が美しい女の子。一人はふわふわの銀髪の男の子。
よくもまあ、こう産み分けたものだ、とお登勢が関心したほどだ。


ただ中身は正反対で・・・・





ようやく娘を捕まえた銀時が、暴れる娘を片手で持ち土手ではぁはぁと座り込んでいた。
「離してよ!天パー!!ハゲー!!」

銀時の髪を引っ張ってなんとか逃れようとするが、それは出来ない。

「いだだだ!!・・・・お前さー女の子なんだから、少しはしおらしくしたら?」

「お父さんこそ、天パなんだから大人しくしたら!?」

「えっなにそれ!なんで天パってだけでそんなに迫害されなきゃいけないの!?」

達者な口は自分譲りと知っていても泣きだしそうな銀時。
そこにようやく新八と息子が追いついた。新八の姿をみると娘はパァっと表情を明るくした。

「おかあさーん!!」

ささっと銀時の腕を逃れ、ぎゅっと新八の足に抱きつく。

「お父さんがいじめるうううう」

「なっ・・・!いじめられてるのはこっちなんですけどォ!?」

不満たっぷりの表情で訴える銀時を新八は一瞥して

「あーよしよし。悪いお父さんだね〜。天パなのにね〜」

と娘の黒髪を撫でた。気持ち良さそうに目をつぶってされるがままの娘は新八そっくりだ。

「私今日、お母さんの肉じゃがが食べたい〜」

「うんうん、じゃあ夕飯は肉じゃかにしようか。肉なしだけど」

「えー」

「えーじゃないの。我慢我慢。」



そんなやり取りを見つめて、打ちひしがれる銀時。体育座りをして手元の草を抜いていた。

「お父さん・・・これ・・・」

息子が銀時に花を差し出す。

「お前・・・これ・・・」

「僕はお父さんの味方だよ!お父さん信じてるからね!」

「おっ・・・・お前ってやつは・・・!!」

思わず自分に似ている息子を抱きしめる銀時。

「お前は優しい子に育って良かった!!新八そっくりだ!」

じょりじょり

「いたっ痛いよ、お父さん」

「お前が俺のオアシスだ!!」

じょりじょり

「痛いって、ひげが当たるよ、お父さん!」

「絶対離さないからな!!」

じょりじょり


ブチ


「離せよ、クソが」

「え?」

ぱっ、と手を払うとスタスタと歩いていく息子。

「僕、しつこい人嫌いなんですよね」

「親に向かって敬語ォ!?」


さっさと前にいってしまった息子と娘と嫁を後ろからみつめ、銀時は人知らずほほ笑む。


「こういうの、悪くねぇな」



なんだかんだ、みんな少し先で待っててくれている。
家族が、自分の家族が自分を手招いている。



うちから溢れる暖かな感情を銀時は握りしめた。



END


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