どらごんらいふ

□第九楽章 『球技大会! 演奏会! 生徒会! 〜球技大会編〜』
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どらごんらいふ♯55



 球技大会は一ヶ月後。
 それまで体育は球技大会の練習ということになる。
「それじゃあ、あとは球技大会の練習しててね〜」
『は〜い』
 練習という名目で亜沙子先生が休んでる、もといサボってるような気がする。
「そんなことないから、さっさと練習する!」
「姉妹揃って、人の心の中に土足で入り込まないで下さい!」
 はぁ、全くどうなってるんだ、町田姉妹は。
「龍宮くん、練習するわよ〜」
「あ、は〜い。今行きま〜す」
 北条さんに呼ばれて、俺はグラウンドの端にあるバスケットゴールへ急いだ。
「さぁ、練習始めましょうか。まずはみんなの実力を知らなきゃいけないから、フリースローでもやりましょうか? じゃあ、まず龍宮くんから」
「へ? 俺から?」
「いいから早く」
 なんか恐い。ちょっと怒ってる?
「怒ってないから早く!」
 あ、俺にプライバシーの権利はないんだ。個人情報保護法が施行されて、早一年、それでも俺の個人情報は、世間に流れて・・・・・・、
「龍宮く〜ん、やる気あるのかな〜?」
 やばっ! 北条さんキレ気味だ。早くしないと。
 そう思った俺は、バスケットボールを持ってフリースローラインの手前に立った。
 バスケットを見て、距離を推算して、集中――そこだ!
 俺の手を離れたボールは吸い込まれるようにバスケットの中へ――。
「ナイスシュート!」
「ども」
 まぁ、フリースローだし、周りに邪魔する人がいなきゃ入るかな。
 その後、全員で一球ずつ投げた。
 結果は、言うまでもない。
「入らなかったのは、栞とマイちゃんか・・・・・・まぁ、当然の結果かな」
 想定の範囲内だったんだ。まぁ、無理もないけど。
 それから、二人はずっと練習していたけど、一向に入る気配がない。
 というか、届いてすらいない。
「二人は戦力外・・・・・・と」
「え? 北条さん、何メモってんの?」
「ん? 今後の参考に。あと、私のことは下の名前で呼んで。お姉ちゃんと被るから」
「あ、うん分かった。じゃあ、綾香さん、でいいのかな?」
「なんか、堅苦しいけど、まぁいいわ。私も下の名前で呼ぶね。絵里菜くん? それとも、『ちゃん』の方がいいのかしら?」
「いや、出来れば『くん』でお願いします」
 遊ばれてるな〜、俺。
 あれ? お姉ちゃん? で苗字が北条、ってことは・・・・・・。
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