どらごんらいふ

□第二楽章 『新生吹奏楽部発足!』
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どらごんらいふ♯07



「マイは何で吹奏楽部に入ったの?」
「えと、ここの吹奏楽部は全国クラスで、この前の学園祭が凄かったの。だから私もそんな演奏がしたくて入ったの」
 創立五年で全国クラス、それって凄くないか?
 そんな事を話しながら気付けばここは吹奏楽部室前・・・・・・。
「せんぱ〜い、吹奏楽部の見学者を、ってあれ? なんでこんなに少ないんですか?」
 そこには一年が三人、二年が一人、三年生が四人、計七人が椅子に座っていた。
「これって少ないの?」
「少ないよ。去年は五十人以上居たもん」
 五十人って、吹奏楽部でそれは多すぎないか?
「仕方ないじゃない、先輩方が皆卒業しちゃったんだから。それより見学者? 初めまして、私は吹奏楽部部長の町田明日香(まちだ あすか)です。気軽に明日香って呼んでいいからね」
 肩まで髪のある、まさにヴィレッジ・○ンガースや島谷○とみが歌っていた『亜麻色の髪の綺麗な乙女』だった。
 俺がその人をぼ〜っと見ていたその時、
「みんな〜新しい部員が三人入ったわよ〜」
『えっ?』
 部室に入ってまだ三歩。明日香先輩はとんでもない事を言い出した。
「またか・・・・・・」
 えっ、またって?
「明日香・・・・・・また勝手に入れるのか?」
「あら、当然でしょ。海斗が全然部員を集めてくれないんだもん」
 海斗と呼ばれた先輩は呆れた顔をして言った。
「これで三人目だぞ」
「えっ? てことはもしかして」
「うん、三年以外は明日香がほとんど・・・・・・あぁ僕は宮本海斗(みやもと かいと)。一応副部長だよ、海斗でいいからね」
 背の高くスラッとした体つき。この人、モテるんだろうな。勘だけど。
「入ってくれるよね?」
 上目遣いで訊いてくる部長。その上目遣い、反則だよ〜。
「はいっ梶原辰哉、入ります、頑張ります、ヨロシクお願いします」
「はいっまず一人入った!」
 マジですか?
「君達は入ってくれないの?」
 そんな上目遣いの涙目で言われたら・・・・・・、
「はっ、入り・・・ます」
 断れないよ〜。
「何だ、エリ入るのか。なら俺も入ろうかな」
「やった〜ほらっ海斗。三人入ったよ♪」
「やれやれ・・・・・・」
 ここの部長の補佐ってきっと大変なんだろうな。
 そんなこんなで、部活見学一つ目で入部してしまった俺だった。
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