●Novel・OTHERS●

□新幹線大作戦!
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「あのですね、自分はあんまりお腹が空いていなくてですね…」
という言い訳も、盛り上がりの中に掻き消えてしまう。


そう、ハルヒの中では、高級レストランといえばデパート中のレストラン。
デパート中のレストランといえば、お子様ランチだったのだ。

高級レストランと見紛う造りの桜蘭高校の食堂を見て、思わずハルヒが口にしてしまっても、おかしくはないということだ。


あまりお腹が空いてない=食べたいものを少しずつ。


そんな発想だったのに、なぜこの人たちはこうも盛り上がれるのか。

ハルヒの心中などお構い無しに、話はどんどん進んでいた。

「よぉし皆の者!」
環が張り切って手を掲げる。

「お子様ランチを探し出すのだ〜!!!」
「イェス、サー☆」

「ちょっ、聞いてます!?」
ハルヒはぎょっとしたが、時・既に遅し。
ホスト部キングは乗りに乗っていた。


「名付けて、新幹線大作戦☆だ!!!」



「……。知らなさそうな割に、詳しいですね…」
バックに花でも飛ばしそうなほどきらめいている環を横目に、静かにハルヒが突っ込みを入れた。

「僕らいつも移動は自家用機だから、新幹線は乗らないも〜ん」
「TGVならあるけどね☆」
「ね〜っ!!」
自慢なのか何なのか。双子もよく分からないことを言い出した。

というか、話の焦点はそこじゃないだろう。

ハルヒの心のため息も、3人の盛り上がりに届くことは無かった。
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