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□眠気覚まし。
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「んー…………やばっ」

携帯の目覚ましで起きると、いつもより15分も遅い目覚め。

たかが15分。されど15分。

混濁していた意識が一気に覚醒し、慌てて仕度にとりかかりながら今日はバスで行くことを決めた。





「おはようさん」
「おはようございます」
バスに乗ると一番後部座席に知った顔を見つけた。
「ニオウくんがバスとは珍しいですね」
「起きたんギリギリやったけえ、チャリは諦めた」
そういうとなるほどと柳生は笑んだ。


早朝のバスは空いていて、ゆったり座れる所がいい。

周りをそっと見渡し誰の目も向いてないことを確認すると柳生の肩に頭を乗せた。

バスの振動と柳生の香りが心地よくて眠気に誘われる…
「眠るなら肩貸しませんよ」
このまま寝てやろうかと企んでいたのを見透かされたらしい、眼鏡ごしに切れ長の目がこちらに向いているのを視界の端で捉えた。

「ヘーい」
口先だけで返事して体勢はそのまま。


―ほんじゃ眠気覚ましに……
「……ナニしてるんですか、この手は」


眠気覚ましに柳生のズボンの中心を撫で上げると、びくりと跳ね上がった体とは裏腹な冷静な柳生の声。
キッと睨まれているが受け流し、

「ナニて、眠気覚まし?」
構わずソレを撫で、掴み、揉みしだく。
すると簡単に硬度を増しオレの手の中で熱く主張しはじめる。

「朝からやらしいのう」
小声で耳うちしてやると柳生の顔が朱に染まる。
「いけません、ニオウくん…っ」
人がとかなんとか言っている柳生は無視し、手の動きを悪戯から愛撫のそれへと切り替える。


―あぁヤりたい。


同性故に心得た快感のツボを押せば手の中の柳生は完全に屹立して存在を主張していて、
ズボンの中がオレのみたいに蜜で汚れているのが容易に想像できる。


「このままイっとく?」

耳にキスして誘ってみるもふるふると首を縦にふらない。

「もう…着きますから…っ…」
お終いですと手を捕まれた。

―ちっ。惜しい…

あと一歩だったのに。

恨みがましく睨みつけるも、柳生はさっさと呼吸を整えいつもの紳士面に戻って
しまった。


「ほら降りますよ」

気付けばバスは目的地に到着し、出口となるドアが開かれていた。

―いらん

駄々をこねる子供のように首を振ると、
やれやれと言った表情で柳生が首をくすめて耳打ち。

『イイ子にしてればご褒美をあげますよ』


それはオレには絶大の効力。

柳生の掌で踊らされてると知りつつも、それすら心地よくて。



しゃあないのう。

極力めんどくささを表に出して、内側の気持ちを悟られないようにバスを降り日常へと繰り出した。



眠気はすっかり覚めていた。









終わり。

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