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□柳生のハジメテ話
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きみといた夏
〜『きみと過ごす夏』番外編@はじめてのお誘い〜





それを知ったのは母からで。

おせっかいとは思いつつ夏のほとんど全てを部活に費やしてしまうので、こうし
た機会があるのは正直嬉しい。

けれど、
暑いのが嫌いで、
人込みがキライな彼が果たして一緒に行ってくれるのだろうか……


「祭り?」
「えぇ。近所の小さい祭りなんですけどね、ワタシは行ったことがないのでよか
ったら一緒に行っていただけないかと」
「ふーん。
…ん?今祭り行ったことないて言うたか?」
「はい…賑やかしいのは苦手だったので…」
仁王くんしばし沈黙…いや絶句。そんなに珍しいんでしょうか?

「ニオウくん…」
「そんな泣きそうな顔せんでも一緒に行ったる」
「ニオウくんっ」
「っ抱き付くなドあほが!」


人込みがキライなのでは、と窺うと

「お前からデートの誘いは初めてやからな」
ぽつりと呟いた彼の表情がとても愛しくて、殴られるのも構わず抱き締めた。








…つづく
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