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□一年に一度の…
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「………あ」
カレンダーに付けられた赤い丸印。これを見なければ今日が何の日かなんてきっと思い出せなかっただろう。



誕生日なんて自分のですら意識することがないのに、人のなんて余計に覚えてられん。
事実、柳生と付き合い始めてから10回以上誕生日を迎えていてもオレが覚えていたことは未だになくて、慌ててプレゼントを買いに走ると言うのがパターンになっている。


―プレゼント何にするかの…


物欲があまりないのはお互い様で、欲しいのを聞けば「何でもいい」もお互い様。だから余計に悩む……


「よしっ」
カレンダーに書かれた柳生の予定を確認して、決心して電話に手を伸ばした。
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