SS

□爆ぜる音
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女子であれば、こんなに悩むこともなかっただろうに……


いけない
コンナコトイケナイ…
そう頭では理解しているのに、
目の前にあるタオルの匂いを嗅ぐとそんな声は聞こえなくなって。
パチン。
何かがはぜる音がした。



「あーキモチいー」
「ちょっ、ちゃんと拭いて下さいよっ」
頭から水を被って、犬のように頭を振って水気を飛ばす彼に見兼ねて自分のタオルをかける。
「すぐ乾くけぇほっといてもえぇんに」
「ワタシが嫌なんですよ」
無理やりタオルで拭くと大人しくじっとしている。それがまるで普段懐かない猫が気まぐれにすり寄っているようで、なぜかドギマギした。


彼は見た目からして目を引く人で、何もかも自分とは反対の自由人。それゆえに反発し、そして惹かれたのだろう…
きっかけは夢だった。単に彼が夢に出ただけでも驚きだったのに、さらに驚くことに彼とセックスをする夢を見た。
願望?
まさか。チームメイトではあるけれどそこまで親しい訳でもないのに……なのになぜ?
困惑する思いとは裏腹に、朝目覚めると白濁の後がべっとりとズボンを汚していた。
そしてその日からなぜか彼を目で追うようになってしまった。



自分は男だし、こういうことをしても不思議ではないハズだ。と誰も聞いていないのに言い訳をしてベッドに入る。
しかし、その餌がチームメイトで男というのはどうなのだろう。誰かに頭の中を見られる訳でもないのに変に緊張してしまう。
そろそろとズボンの前をくつろげ雄を取り出すと既に硬くなっている。
「なんで、こんな…」
たかが残り香を嗅いだだけなのに。
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