SS

□ハジメテズット一緒ニイタイト思ッタ
1ページ/4ページ

付き合い始めて数ヶ月。あんなに暑かった日々はどこに行ったのかその片鱗さえ窺えないほど寒々しい日々。
冬休みだというのに相変わらず部活の練習はあってそれなりに忙しくすごしていた。でも、それも今日も終わり。明日からは年末年始で休みとなる。

―柳生は正月はどうするんかの。
そんな時に考えるのは自分が最も大事にしている人のことで、思わず笑いそうになる。どこまで柳生中心で生きているのか、と。

あの真面目な柳生のこと、聞かなくても家族と過ごすに決まっている。真面目で優しくて…そういう所も気に入っているのに、
―たまには二人きりで誰にも邪魔されずにセックスしたい。

そんなことを思う。
付き合ってしばらく経つが体を繋げたのは両手で裕に足りる。お互いの家には当然家族がいるし、だからといって学校等の施設ではお堅い柳生が嫌がる。自然、親がいない時を見計らってするか、仁王が我慢できなくなって学校で襲うかになってしまう。セックスが付き合ってる全てとは言えないが、それでもそういうお年頃なわけで、しかも抑制されていれば尚更というもの。

―あぁ一緒にいたい。
自分らしくないと思いつつもそう思う。

けど、そんな仁王の想いが届いたのだろうか、思わぬ事態になった。


次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ