STORY(未来編)

□ここからが…俺達
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「初めまして、手塚くん。幸村といいます。」

突然声をかけられ手塚が振り向くと、長身の手塚とそう変らないくらいの目線があった。儚げな優しい面差しだが、体躯はしっかりとしていた。そこが不二と違い、男だと言う事を主張している。

「俺をしっているのか?」

「やだな、同じクラスですよ。それに、テニスをしている学生で手塚国光を知らない人はいませんよ。」

「お前もテニスをしているのか?」

「チームは強くなかったけど、個人では結構頑張ってたんですよ。」

「ほう、何処の学校だ?」

「緑ヶ丘中です。」

「悪い、聞いたことがないな。」

「いつも、一回戦敗退ですから。」

幸村は中学時代テニス部に所属していたが、チームは一回戦突破がやっとだった。個人では都でベスト16まで行った事があるくらいの力を持っていた。

「高校でもテニス部にはいるのか?」

「そうですね…手塚さんは勿論テニス部ですよね。」

「ああ、不二とも約束をしているんだ。高校でも全国制覇をしようとな。」

(不二!またあいつか)
幸村の眉がピクリと動いた。

「不二くんって誰ですか?」
幸村はすました顔できいてみた。

「5組なんだ。新入生代表で挨拶しただろう。中学からのチームメイトで、俺のテニスへの思いを理解してくれている。綺麗なテニスをする。実力も高校トップクラスだろうが、あいつは底知れないな。」

「そうなんですか。でも、挨拶は手塚くんの方が適任なんじゃないですか。」

「3年学年末試験では、不二が1番だったんだ。それに毎回俺では、高校に進学した新鮮味がないだろう。不二は落着いているし、外見も人を惹きつけるから良かったんじゃないか。」

「そうですね…」

(何だよ、不二・不二って。急に饒舌になって…手塚は俺のものだ!)
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