STORY(パラレル)

□ふじ頭巾ちゃん
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あるところに、ふじ頭巾ちゃんと呼ばれている男の子がいました。
男の子はいつもお爺さんに作ってもらった藤色の頭巾を被っていたので、ふじ頭巾ちゃんと呼ばれていました。
ふじ頭巾ちゃんは、お父さんと猫と仲良く暮らしていました。
ある日

「ふじ頭巾や、森の中のお爺さんの家に葡萄酒とパンとハム、それにラケットとボールを届けてくれないか。」

「はい、お父さん。」

ふじ頭巾ちゃんは猫のキクマルとバスケットを持って出掛けて行きました。
ふじ頭巾ちゃんの後ろ姿を見送りながら、秀一郎お父さんは心配です。

「大丈夫かな…森で獣に襲われたりしないかな…迷ったりしないかな…怪我しないかな…ああっ…胃が痛くなってきた…大丈夫かな…」

そんなお父さんの心配症をよそにふじ頭巾ちゃんはどんどん森の中を進んで行きました。

しばらく行くと、桃尻猿が話し掛けてきました。

「ふじ頭巾ちゃん、1人かい?1人じゃ危ねえな、危ねえよ!」

「桃尻猿さん、こんにちは。大丈夫だよ。キクマルが一緒だから。」

猫のキクマルは思いっきり背筋を伸ばし、得意げに鼻を高々と上げた。どうだとでもいうように。

「そうかぁ。でも、やっぱ危ねえな。そうだ!俺も一緒に行くぜ。」

「ありがとう。桃尻猿さん。」

こうして3人はまた歩き出しました。

するとどこからか、変な音が聞こえてきます。耳を澄ませてみると、どうやら息を吐くような音です。

「こいつはいけねえや。」

「桃尻猿さん、知ってるの?」

「こいつはすんげえ、しつこくて陰険なやつだぜ、ふじ頭巾ちゃん。」

「なんだと、こら!!」

草叢から出てきたのは、バンダナを巻いたマムシでした。

「このお調子者が!」

「やるかぁ、マムシ野郎!」

「望むところだ!」

桃尻猿は牙をむき、マムシは飛びかかる体制でかまえました。今にも戦闘開始です。
その時!

ベシッ!ムギュ!

「喧嘩はだめだよ!」

ふじ頭巾ちゃんが桃尻猿さんのお尻を叩きながらマムシを踏みつけました。
ふじ頭巾ちゃん、そのひきつり笑顔が怖いです。今も、手加減無用で叩いたでしょう!桃尻猿さんのお尻は桃色ではなく真っ赤に。マムシはコブラのようにぺったんこに。

「わかったかな!」

「ハイ!」

「フシュ!」

「分かれば、仲良く行くよ。」

桃尻猿もマムシもふじ頭巾ちゃんに逆らえません。4人で仲良く(?)歩いて行きました。
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