STORY

□ガンバレ!音楽祭
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手塚が悶々としている間も時間は流れ、今日は文化祭当日。家族や友人・他校生も来校し、学園は人でごったがえしていた。不二のクラスの出し物は、ステージ午後の部最後だった。

(何が何でも見に行ってやる!)

実は、不二のミニスカートを密かに楽しみにしていた手塚だった。が、生徒会長という立場上自由行動は出来ない。その上、何かと雑務に追われる。クールを装いテキパキと指示を出しているが、内心時間が気になってしょうがない。ついに手塚は強行手段に出た。体育倉庫に隠れたのだった。

(我ながら、何をやっているのだろう…)

しかし、不二のステージを見るためだ仕方ないのだ。

手塚を探している声がする。しかし、不二が優先。

手塚を先生が呼んでいる。でも、不二が一番。

刻々と時間は過ぎ、とうとう3-6の登場となった。どこかで耳にしたようなような曲もあるが、手塚たちの聞いたこともない曲ばかりだ。しかし、大人には大うけである。中には涙を浮かべている先生もいた。余程、思い入れのあった歌なのだろう。しかし、そんなことはどうでもよかった。自分の出番ではないのに、手塚はドキドキが治まらない。いろいろ何意味で不二が気になるのだ。失敗したりしないだろうか、変な野次は飛ばないだろうか。何よりミニスカートというのが気になる。そんな手塚の気持ちはお構いなしに、不二と菊丸の番となった。手塚は照れ臭くて思わず下を向いていた。そして聞こえてきたのは、割れんばかりの拍手と歓声。そろそろと顔を上げてみれば、舞台上にはなんて可愛い女子中学生…ではなく男子中学生。二人とも同級生に借りたのか青学のセーラー服。細身ではあるが、テニスで鍛えられ引き締まった脚にハイソックスがよく似合う。菊丸は髪を左右耳の上でボンボン付のゴムで結び、不二はお花を模ったヘアピンをしている。どこから見ても可愛い女の子。お辞儀をして歌いだした声も男にしては高い二人の声。

「英子ちゃん、可愛い!」

「今度デートしてよ、不二子ちゃん!」

女の子からより男からの声援が多いのが気になる手塚だった。
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