STORY

□信じている
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数日経った頃からだった。僕への視線が増えた。以前から見られていることはあったが、それとは違うー侮蔑・憐れみ・好奇・憎悪ーそういった類の物だ。中には僕を見てヒソヒソ噂をする者もいる。日に日に数は増えているように思う。最近ではテニスコート迄僕を見に来ている。 この様子をテニス部のみんなが気づかぬわけがない。この日も菊丸・乾・河村・桃城がテニスコートに注がれる嫌な視線にイラついていた。

「何だよ!あいつら。不二が何をしたんだよ。」

「俺たちが傍に行くと噂話止めるんだよな。同じテニス部員だから耳に入れたくない話なんだろうな。」

「桃たち1年は、何か聞かないかにゃー?」

「内容は分からないんですが、裏サイトがどうとかことかいうのは聞いたことがありますね。」

「裏サイト…何か怪しいな…。」

「どういうこと?乾。」

「無記名で言いたいこと書き綴ってあるんだ。ある事ない事、人の噂や悪口などが多いらしい。」

「そこに不二のことが書いてあるということか。」

「オイ、おまえら。」

金網越しに急に声がした。

「何だよ。これから部活なんだから邪魔するにゃー!」

「粋がっていられるのも今のうちだぜ。テニス部潰れんじゃあねえの。真面目ぶってても不二なかなかやってくれるじゃん。」

「不二が、何をしたというんだ。」

「本人に聞いてみろよ。アダルトな話も教えてもらえるぜ。」

アハハと笑いながら去って行った男子生徒の後姿を睨みつけながらも菊丸は少し不安になった。

「今、不二、担任に呼び出されているんだよにゃ。何の話だろう…」
 
 そんな菊丸の心配を吹き飛ばすよう怒鳴り声がした。

「お前達何している!!さっさと練習を始めろ!」

「手塚!!」

手塚の雷は部長としてよくあることだ。こういう時は素直に従うに限る。が、今日は違う。明らかに苛立ちを含んでいる。

「…手塚…不二は?」

不二絡みだと菊丸は大胆になる。今も、手塚の声に練習を始める為走り去ったみんなを尻目に疑問を投げかけた。

「不二、先生に呼ばれたんだけど見なかった?」

「不二は帰った。」

「帰ったぁ!!」

「ああ。」

「何でぇ!?」

「暫く部活も休みだ。」

「ええっ!!」

「早くコートに入れ!」

菊丸は納得できずにいたが、従うことにした。苛立ちの中のにも手塚の苦しみを感じたのだ。
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