STORY(跡不)
□気に入らないわけ
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「おい、幸村。俺様と付き合わせてやってもいいぜ。」
「はぁ?何で俺が跡部と付き合わなくちゃいけないのかな?」
練習試合で立海は氷帝を訪れていた。
次世代を担う後輩達のプレーを見つめていた幸村にいきなり跡部が声を掛けてきたのだった。
「容姿・頭脳・実力。俺様と並んでも見劣りしないのはお前ぐらいだからな。」
「全く…何様だと思っているんだか…。俺じゃなくても跡部にぴったりの相手がいるんじゃないか。そうだな…忍足なんかどうかな。」
「あいつ…だめだあいつには品というものが無い。」
「宍戸は?」
「もっとだめだ。美に縁遠いし、俺様の会話について来れない頭だ。」
「氷帝にはまだいるだろう。」
「だめだ。俺様と釣り合う奴はいない!」
「うちの真田ならどうかい?」
「あんな、時代錯誤のゴリラは願い下げだ。」
「うーん…付き合うっていうのは、お互いの気持ちが大切なんじゃないかな。」
「そんなもの、どうでもいい。要は俺様に相応しいかどうかだ。」
「あっ!いい相手がいるよ。全て兼ね揃えている人物が!青学の手塚はどうかな。」
「…あいつは…気に食わない…」
「どうして?嫌いなのかい?」
「いや、嫌いではない…ただ気に食わないだけだ…」
「跡部にしてははっきりしないね。まあいいや。好きではないけど付き合うのに協力してあげるよ。」
幸村はただ面白いことになりそうだと、それだけだった。
こうして、跡部と幸村は表面のお付き合いが始まった。