STORY

□思いを風に
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わかっているのに

信じているのに

でも、不安なんだ…君の瞳に映るのはテニスだけ…

手塚と付き合い始めて一年になる。2年になったとき、僕から告白をした。手塚は「わかった。」とだけしか言わなかったが、昨年は夏休みに二人で一泊旅行に行ったし、手塚の誕生日にあげた携帯ストラップもしてくれてるし、クリスマスには手塚からキスをしてくれた。だから僕は、「わかった。」はOKの意味だと思っていた。君は口数が少ないから、「好き」だと言ってくれなくても仕様がないと思っていたし、僕からの誘いには大抵付き合ってくれた。だから、不安なんて感じなかった。そう…今までは…。

今年の新入部員にすごい奴がいると、噂を聞いた。どんなプレーをするのか、とてもワクワクした。だから、彼のプレーを見た時、衝撃と興奮と戦意を感じた。そして不安も…2の座など拘ってはいない。実力主義だから、強いものが上に行けばいい。でも、そう簡単に譲らないけどね。僕が不安に感じたのは、そんなことではないんだ。手塚…僕が彼に感じたことを君も感じたはず。興味がテニスの範囲内ならいいけど、彼…越前リョーマ自身に向いてしまったら、僕はその時どうするだろう…。
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