STORY

□最終選考
1ページ/3ページ

Jr選抜最後のメンバーを決めるのに誰を推すかと、氷帝学園の榊監督に尋ねられ俺は不二だと答えた。この答えに迷いも間違いもないと思った。何故越前ではないのかと聞かれたときには、彼の向上心・情熱を呼び覚ますことが大切だと思ったし、アメリカチームの思惑に巻き込ませたくないというのも本心だ。なのに何故こんなことになるのだろう。

竜崎先生が入院され、代わりに俺は呼ばれた。日本中学生のために役に立てるのであればと、申し出を受けた。本当は不二に会える、一緒にテニスができるという気持ちが大半だったが。

合宿に現れた俺を見たときの不二の顔を忘れられない。驚きに見開かれた瞳、そしてそれが瞬く間に潤み優しく俺を見つめた。そっと頷くと、手のひらで涙を拭うと、輝くような笑顔をくれた。花開くとはこのことだと、その笑顔を見て思った。

(一緒にテニスができるね…でもこんなに驚かすなんてひどいよ、心臓止まるかと思った)

(すまない。早くお前に会いたかった。)
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ