STORY
□新学期
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新学期の最初のイベントといえば、クラス替えの発表。青学中等部の掲示板前は黒い人だかりができていた。背の高くない僕には何も見えない。仕方がない、空くまで待とう。
こんなとき、自分の背丈が恨めしい。
「手塚みたいに、背が高かったらな…」
「俺がどうした。」
「手塚!お早う。うん、クラス発表見たいんだけど全然見えなくて、背が高い手塚が羨ましいなって。」
「お前は6組だった。」
「見てくれたの。ありがとう。手塚は何組?」
「俺は、1組だ。」
「違うクラスなの…淋しいな…」
「部活では毎日会えるだろう。」
「だって、授業を受ける君とか、お弁当食べる君とか、HRの司会をする君とか、居眠りする…これは無いか。もっとテニス以外の君も見ていたいんだ…」
「人生長いんだ、そんな物これからずっと見ていられるだろう。」
「ずっと…人生長い…?それって、卒業してからも、社会人になってからもってこと…?」
「お前は中学までの付合いだと思っていたのか?」
「ううん、手塚を疑っていたわけじゃないけど、言葉にしてくれたのって初めてだから、嬉しいんだ。」
本当は触合いたい。でもここは学校で、みんないるから無理だよね。
瞳と瞳で会話する。
桜吹雪が二人の姿を他から守るように優しく舞い落ちる
お前が何より大切だ…
君とずっと一緒に歩んで行きたい…
お前に傍に居て欲しい…
君の支えになりたい…
お前が好きだ…
君が好き…
君だけを愛しているよ…これからもずっと…君だけを…
完