その他夢
□嫉妬
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「うー……」
「……唸るぐらいなら止めたらよかったじゃないですか」
「できないってー……」
「はぁ。この作業を終わらせなければ私は休めないんですが」
それに、とリンは思う。
それにこの状況が所長に知れれば当面自分の仕事量が激増することは必至だ。目の前にいる少女には早急に恋人のもとに戻ってほしい。
「だって、真砂子綺麗だし。ナルに恋しちゃってるとこはかわいいなと思うし」
そもそも彼がなぜ自分を隣に置くことを許してくれたのかがわからない。
さみしかったの? ……彼がいなくなったことでできてしまった空洞を私で埋めようとした?
ナルはそんな人じゃないとわかってるのに……考えれば考えるほど悪い方向にしか考えられなくて私は軽く頭を振った。
「……名無しさん」
ゆるりとリンの大きな手が私の頭をなでた。
「リン……」
「何を考えているのかなんとなくわかる気がしますが、考えるよりも本人に聞いたほうがいいと思いますよ?」
「うん…」
「今日の晩、話してみることです」
「……ありがと、リン」
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