遙か夢弐
□してやったりと
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お祭りに出かけたくせに、とずぅんと落ち込みながらアーネストに抱きかかえられていた。
「・・・・・・ごめんね、アーネスト」
くすん、と鼻をならすとアーネストが苦笑する。
「いいんですよ。仕方がありません、足をくじいたんですから」
―――そう。
はしゃぎすぎてうっかり転んで足をくじくなんて……ついてない。
「・・・・・・せっかく浴衣着たのにね」
「いいんですよ、浴衣は脱がすために着せたんですから」
「・・・・・・」
―――ん?
にこにこ笑うアーネストに、私はおとなしく無言を保った。
これは、聞き返したらまずい気がする。
さっきからさわさわと体を這いまわる手も無視してたのに、やっぱりそうくる?
「足が痛くてそんなに抵抗できないでしょうし、負担をかけない体位でしましょうね」
ね、と輝くような笑顔で言われてへっぴり腰で逃げ出そうとしたんだけど、無理でした。