遙か夢弐

□私の宝物
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「あー、かわいいわ」



「んく、ん? どうしたの、望美ちゃん?」


白龍と縁側でプリンを食べてたら望美ちゃんがにまにまと私を見つめていた。


「名無しさんと白龍、かわいいなぁって」


「? 望美ちゃんのがかわいいよ?」



「名無しさんっ」


突然がばりと抱きしめられて私はプリンを死守した。


「わわっ、プリンがこぼれちゃうよ、望美ちゃん!」


「あーほんと私の妹ってばほんとにかわいい!」


で、も、くるしぃ・・・・・・っ。


「・・・・・・望美、名無しさんがつぶれてるぞ」


「きゅう・・・・・・」


「あ、ごめん!」




「う、ううん。大丈夫。ぎゅってされるの、好きだから」


「名無しさんっ」


「あーはいはい。お前はちっと落ち着け」



再び私に抱き着こうとした望美ちゃんの首根っこを引っ掴み、将臣くんがよしよしと私の頭を撫でてくれた。



「美味いか? 譲のプリン」


「うんっ」



こっくりと頷くと、横からきゅっと抱き着かれた。



「白龍?」


「私もぎゅってする。名無しさん嬉しい?」


「・・・・・・うん。嬉しい!」


キラキラした目で見つめられて私もきゅっと抱き返した。




「あーもーかわいいぃー」


「だから落ち着けっての」
























白龍とは素直に話せる。

だって大きくないし。

怖くない。

好きだと思う。




私の方がだいぶお姉さんだけど、でも一緒にいると安心する。


ずっと一緒にいたいなって、思ってた。


白龍は望美ちゃんの龍だから、ずっとなんて無理だと思うけど。


白龍と、望美ちゃんと、みんなと、ずっと変わらず一緒にいられたらって。



―――なのに。
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