遙か夢弐
□英国紳士
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「マイプリンセス、私の部屋でお茶を飲みませんか? 美味しい茶葉が手に入ったんです」
手を軽く持ち上げられてその指先に、ちゅ、と口づけられた。
はわわわわ、と慌てて真っ赤になって思わずこくこくと頷いた。
とにかく指を離して〜……っ!
「……アーネストのやつ、名無しさんのことめちゃくちゃ好きだよな」
呆れたように都がつぶやいて、私はぶんぶんと首を横に振った。
「ちちちちっ違うよっ! 英国紳士だからだよ!」
「いや違うだろ」
ぴしゃりと突っ込みを入れられて私は火照ってきた顔を両手で隠した。
「う〜……っ」
「アーネストは名無しさんのこと、大切にしてくれると思うよ?」
「まあ一途ではありそうだよな。普段がレディファーストを徹底してるだけで」