遙か夢弐

□余計なお世話
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「……っ」





一体どれほどの量を盛られたのか。




徐々に荒くなる息と熱くなる体を持て余しながら、景時は目の前でおろおろとする可愛い妻に視線を向けて……そっと背けた。





自分の内に生じた熱を吐き出す対象が目の前にいて、自分を見つめている。




それがどれほど理性を焼き尽くしているか。






「……く、名無しさん……」





「は、はいっ!?」




「……今近くにいられちゃうと、無体な真似をしそうだから……他の部屋に行ってくれないか……っ?」





やっとのことで吐き出した言葉。



本音を言うなら、彼女を衝動のまま抱いてしまいたい。




でもそれではなんのために今まで触れてこなかったかがわからなくなる。








そう思って彼女を遠ざけようとしたのに。






「……っ、なに、を!」





握りしめた拳にそっと触れられる。
下から顔を除きこまれるといやおうなしに上目遣いになった。










「……お辛いのでしょう? ……私でどうにかなることならば、どうぞ私に」







分かって言っているのだろうか……?





荒くなってきた吐息の中で彼女を見ると、真っ赤な顔ながらもまっすぐに自分を見る彼女の瞳に覚悟を読み取った。





「……いいのかい?」





「……はい」





頷いてくれた愛しい妻の姿に景時はぎゅっと目をつぶった。




……体の中心で熱が疼いた。





「……出来るだけ、優しくするから」






これ以上持ちそうにないことを悟って、景時はそっと彼女の体を畳の上に組み敷いた……。





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