遙か夢弐

□かわいい子……
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「天海さま」




「どうしたんです? かわいい子……」



「……いいえ、なんでもないんです」




 にこりと笑って、私は彼の隣に寄り添った。



 体温のない、実体のない、天海さま。



 倒れていた私をなぜか拾ってくれた天海さま。




 感謝はいつしか恋心に変わっていた。













「おかしな子ですね……名無しさん、今日はましろ達と外に行ったのでしょう? どんなものを見てきたのか、どんなことを感じたのか……聞かせてくれますか?」




「はい。天海さま」




 おそばにいれるだけで幸せ。



 そう思っていた。



 たとえ触れることが敵わなくても。





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