遙か夢弐
□そんじょそこらの男より
1ページ/1ページ
「こら」
「へ?」
とつぜん頬をぬぐわれた。
あ……
私の頬から指に移ったアイスがひょいと形のいい唇に吸い込まれていく。
大きく鼓動がなった。
「ほっぺにつけながらアイス食べるなんて、いつまでたっても大人になんないなぁ、名無しさんは」
「……まだ大人じゃないもん」
不自然になった心臓の音をごまかすように私はアイスをもう一口食べた。
「ゆきも手がかかるけど、名無しさんもたいがいだよな」
「……お手数おかけします」
「いいんだよ。お前たちはそのままで」
「……私さ」
「うん?」
「都がいる間はずーっと彼氏が作れない気がする」
「ええ?」
だってそんじょそこらの男よりもよっぽどかっこいいんだもん。
「好きな人ができたらすぐに私に相談するんだぞ? どんなやつか私が見極めてやるからな!」
「……当分ないから大丈夫。むしろ好きな人ができるの祈ってて」
2011/4/11
―――――――――
都が好きすぎて。
見た目は一番好みでした。