乙女ゲーム夢2

□地獄の業火に焼かれようとも
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「エリック……私はずっと隣にいるよ。誰がいなくなったとしても、私はずっと……」

たとえあなたが私に対して恋愛感情を向けてくれなかったとしても。



















クリスティーヌを中心に世界がまわるエリックを見て何度も切なくなった。





でも私だけに心を開いてくれる。


甘えてくれる。





それが嬉しいから私はどれだけ辛くてもここにい続けることができるんだ。



















「もう姿を見せるべきではないとわかっているんだ……」




「エリック……」





「だが私はクリスティーヌをプリマドンナにしなくてはならない。彼女こそ、プリマドンナであるべきなんだ」






私の肩に頭をゆるく預けたまま自身に言い聞かせるように語るエリックの髪を指で梳かす。





くせ毛のようでいて、柔らかな指通りのいい髪。





こうして甘えてくれることがどれほど愛しくて嬉しいかあなたは知らない。






これほどにずっと一緒にいるにも関わらず私と彼の間にあるのは家族としての関係だけだ。







彼から少し身を離して顔の仮面を取り去る。





無抵抗でじっとしている彼のその顔の傷を眺めて、私はむごたらしい傷痕を指で撫で、労わるように口づけた。








「あなたは魅力的な人よ、エリック。でも成長しきれていない少年の心も持ち合わせてる。不思議な人」











「……お前がそう言ってくれると、とても安心する……真実私を受け入れてくれるのは、お前だけだ」










ふわりと優しく微笑んで彼は私をそっと抱きしめた。





こんな風に触れ合うくせに彼は私との一線を絶対に越えることはない。









私だけだと言いながらクリスティーヌが受け入れてくれたらどれほど嬉しいだろうという感情も透けて見えて、やっぱり私は切なくなった。



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