乙女ゲーム夢2

□ときめき補充
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最近私は男というものにときめきを覚える。




自分よりも高い身長。

広い肩幅、広い背中。

低い声。

大きな手。

筋張った手。

腕の筋肉。

厚い胸板。







どれを考えても鼻血が出そうなほどの興奮というか切ないほどのときめきというか、そんなものを覚えてしまう。














というわけで、開襟シャツでのジャケット撮りとかほんとにもう私を殺す気ですかと彼氏に訴えてみた。



























「…つまりレディは男に飢えているってことかな?」




「ちがうぅ、違いますぅ! レンの色気にあてられてるってことですー! なんでそんなに色気むんむんなのよー!」





「……そう言いながら君は何を抱きしめてるんだい?」




「某クッション」




うー! 

表も裏もレン! 


色気むんむんレン!




オモテのレンの筋張った腕もちょっとそらした腰もきゅんきゅんする!




ウラのレンの「俺を食べてごらん」って感じの半裸もへそもズボンに隠れた魅惑のゾーンに続くラインもぜんぶぜーんぶきゅんきゅんする!






「はふ……死んじゃいそ」





真っ赤な顔でぽつりと呟いたら、ばっとクッションを奪われてしまった。










「あぁっ! 私のレン!」




「……レディ?」




「え、あれ……?」




とってもいい笑顔のレンがにこーと笑いながら私から取り上げたクッションをぽいっと部屋の隅に投げた。







な、なにか怒ってらっしゃるかしら……?






危機感を覚えてじりじりとベッドの上をにじりあがったら足首を掴んで引き戻された。






「ふぎゃ!」







「……悪い子だ。本物がここにいるのにぎゅうぎゅうクッションなんかを抱きしめて頬を染めてうっとり見るなんて……そんなにオレを妬かせて楽しいかい?」





「へ……え!?」





凄味のある笑顔を向けられて私は戸惑いつつ言葉の意味を考えて……叫んだ。







「レンってばもしかしてクッションにヤキモチやいたの!?」








「……クッションであろうとなんであろうとオレから君を奪うものはすべて敵さ」






むっと口を尖らせて言い訳するレンに胸がきゅんっとした。




す、拗ねてる……っ!






こんなに可愛さと色気を共存させてる人が彼氏だなんて私そろそろ心臓がもたないんですけど……っ!
















――――――――

(オレをクッションにすればいいさ、ってお腹にぎゅーっと抱き着いてぐりぐりされたらもうよしよしするしかないんですけど! 可愛すぎてどうしよう!?)




end

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