乙女ゲーム夢2

□ほのぼのと
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「くっくっく……っ!」






「…笑いすぎですよ、一条さん!」




ぷくりと頬をふくらませると、涙をにじませた目で一条さんが私を見た。










「いやぁ、ごめんごめん。あんまりにも面白くって……」




「……見てないで助けてくれたらよかったんですよ」





「何してるか分からなかったんだよ、最初は」







私のかわりにやつを退治してくれた企画開発部の一条さんは、くすくすと笑いながら自分の分のコピーを取っていた。






「それにしても、意外だな。名無しさんって、もっとクールな人かと思ってた」





「クール?」





「ううん…ちょっと違うか。動じない、というか…」







「なるほど。男の人にはつまらないってよく言われます」





「そういう意味じゃ…」





慌てた一条さんににこりと笑う。






「お高くとまって見えるらしいですよ。女の人には好かれるんですけどねぇ…おかげさまで彼氏も出来ません」





別にいらないけど、と思いながらそう言ってふと一条さんを見るととても困った顔をしていた。









「ああ、すみません。この話題の振り方は困りますよね」





失敗したなぁ……一条さん、気にしそうな人なのに。




そう思いながら謝ると一条さんはゆるく首を横に振った。








「いや……そうだね。俺はそういうギャップ、嫌いじゃないよ」




「え?」






きょとんとすると、一条さんはにこりと笑った。






「名無しさんがさっきおたおたしてたの見て、かわいいなぁと思ったから」






「……っ!」







不意打ちに頬がかっと熱を持った。













「……なんでナンバー2なのかわかった気がする」







天然で人を落とす才能持ってるかも。

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