乙女ゲーム夢2

□ロミオとジュリエット
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「ロミオとジュリエットみたい」

「名無しさん……」

私がぽつりとつぶやくと、真斗くんが困った顔をした。










「やっぱり不安か? 俺が愛してるって言っても」



「だって私たちのこと、レン兄様がすごく反対してるもの。それに……」




真斗くん、婚約するかもしれないって……。



俯く私の手をとって、真斗くんは正面から私の目を見つめた。



「神宮寺は話せばわかるやつだろう?」



「だって真斗くんにはいつも意地を張るから。私まで聖川にとられるなんて、ってすごく怒ってた」




「……神宮寺が何と言おうと、お前がどれほど不安に思おうと……俺はお前しかないと思ってる」




「真斗くん……」



「一年、辛抱してくれないか? 俺は絶対にアイドルになる。そして……誰にも文句を言わせないようなアイドルに」



なだめるように顔中にキスを降らされて私は熱くほてる頬を持て余しながら今度は恥ずかしさで俯いた。






「俺たちがロミオとジュリエットだというなら、ハッピーエンドにすればいいだけだ。そうだろう?」



「うん」



線の細い見た目からは感じられないほど男らしい真斗くんに私はやっと笑みを戻す。




「浮気なんてしないでね?」


「バカ……」






お前だけだって言ってるだろ?


そう言って、とろけるような口づけが降りてきた。







(あなただけ、お前だけ)
2011/9/4.

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