アリス夢
□ケスクセ？（ブラッド）
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「だが、愛しいと同時に憎らしいな」
顎を掴む手に、ぐ、と力が入った。
ひどく冷たい目で睨みつけられ見下ろされた。
「……グレイ・リングマークとどこまでいったんだ、名無しさん？」
「え？どこ……っ」
するりと太股をなでられた。
「ちょ、ブラッド！？」
気がつけば、半ば身体を抱え込まれるような形で私はブラッドと密着していた。
そしていつのまにか手袋を外したブラッドの手が私の身体をなでまわす。
太股と、背中と……。
「や、ぁっ」
手の動きに気を取られているうちに、ブラッドが私の首筋に顔をうずめた。
耳のうしろに、ちゅぅ、と吸いつかれてからだがぴくりとはねる。
「んっ」
「ああ……耳が弱いのか？」
「や、だぁ……っ」
手をつっぱねてみても大した抵抗にもならず、私の足はよくわからないけどがくがくと震えてもうブラッドの支えなしには立っていられなかった。
「っ！ぶ、ら、どぉ……っ」
「っ！……ずるいぞ」
「は、ぁ……？なに、が」
「……いつもあいつにこんな声を聞かせているのか？」
「ぐ、グレイとはなにもない！」
「……なんだと？」
息があがって、肩が上下する。
すごく近い位置にブラッドの顔があって、私は恥ずかしくて顔を背けてしまった。
でもブラッドは気にくわなかったみたいで、私の顔を正面に戻すとねっとりと口づけた。
「んむ！む……ふぅ、ん……っ」
「は、しかし君は甘いな。どこもかしこも」
「ぶらっど……」
「さっきの言葉は本当だろうな？」
「え？」
「あいつとは何もなかったのか？」
「ないって言ってる！……私が好きなのは……ずっと……ブラッドだったから」
かぁ、と顔に熱がのぼる。
言うつもりなんてなかったのに。
「……そんな顔をしてもだめだぞ？君はもう私のものなのだから」
でも、目の前のその顔が、なぜかすごく満足そうだったから、私は間違ったわけじゃないのだと、そう思えた。
やっと掴んだのはなんなのか？
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