アリス夢

□ケスクセ?6
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役持ち達が集まるということはブラッドも来ていたのだろう。もちろんエリオット達も。

……ユリウスが気を使ってくれたのだろうか?


寝ていた私はグレイの瞳が怒りに揺らめいたのを見過ごしてしまった。

「……今回はクローバーの塔に役持ち達が集まってくる」

「そっか」

「もちろん君もだ」

「え〜……」



嫌だ。
会いたくない。




嬉しい。
会えるかもしれない。




自分でも御せない相反する気持ちに私はぎゅっと目を瞑った。

「気分が悪いか?……もう少し眠るといい」

グレイは少し厳しかった声音を優しく言い換え、私の頭をそっと撫でた。私は目を瞑ったままこくりと頷きまどろみの中に身を投じた。

……きっとここにユリウスがいてくれれば私の気持ちをばっさり切ってくれただろうに。

久し振りに思いだした懐かしい顔。

今彼に会えれば彼に聞くのに。

私に気を使ってくれていたの、と。


私は知らない。
頭をぐるぐると周り続ける物思いに自分が寝ぼけて「ユリウス」と時計屋の名前を呟いたことなんて。

それを聞いたグレイがすごく険しい顔をしていたことなんて。

私は知らない。





日常が壊れる足音がひたひたと静かにやってくる。







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