アリス夢

□ケスクセ?5
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「……ナイトメア様?」


信じられないと言わんばかりのグレイの声がナイトメアの執務室に落とされた。
彼の視線の先には処理済みの書類の山、山、山。

これ以上信じられないものがあるだろうか?

この仕事の量は10時間帯くらいかかってしかるべき。……ナイトメアならば。

「何か言いたいことでもあるのか、グレイ?」

普段から青白い顔を一層青白くさせてナイトメアが座った眼を自分の腹心に向けた。グレイは何をか言おうとし大人しく口を噤む。

触らぬ神に祟りなし。

普段からこれくらいで仕事してくださいなど言ってはいけない。今この場では。だってナイトメアの机の上にはまだ未処理の書類も山ほどある。

「……しかしここいらで一休みいれてもいいですよ、ナイトメア様」

上から目線。
しかし事実彼の顔色がすこぶる悪い。

「……いや、お前が休みを取れ」

「は?」

主人を休ませるべく仕事を引き継ごうとした途端主人の口からまた天変地異かと思えるくらい珍しい言葉が飛び出した。……明日は銃弾でも降るのだろうか?

「ナイトメア様?」

「名無しさんがこの国に来てから一度も外に出ていない」
「!」
「お前が連れ出してやってくれ」




愛しき少女に自由な心を。
自由な羽根を。
自ら籠の中に閉じこもるようなことなどしないように。








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