アリス夢

□ケスクセ?
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私は帽子屋ファミリー(マフィア)のボスに拾われた。







「名無しさん、名無しさん」

「ねぇ僕たちと一緒に遊ぼうよ」
「そうだよ、名無しさん。僕らと遊ぼう?何がいい?名無しさんのためならとっておきの武器を取り出してくるよ!」




右腕と左腕に絡みつくようにして甘えてくるのは双子のディーとダム。



ここ、帽子屋屋敷の門番であり私のよき友達?だろうか。






……遊びに武器(凶器)を持ち出して来ていつも一歩間違えば命を奪おうとしてくる子たちを友達として表現していいのなら、だが。






「ディー、ダム。……私そんなに運動神経良くないんだからいつか絶対に死んじゃうよ!」


むっと口を尖らせて二人を交互に見下ろすと二人はにやりと子供らしい笑顔をいやらしく歪ませた。


「そうだよね〜、名無しさんってばいつもどじ踏んでいるしね」


「そうだね、兄弟!名無しさんっていったら何もないところでこけるのが大得意。どうやったらそんな器用なことが出来るのか教えて欲しいよ」


「……」


きゃいきゃいと人の失敗談を話し出す無邪気な子供に私はさらにむっと口を尖らせた。



……何が悔しいって、反論できないところが一番悔しい。


溜息を押し殺しつつ私の両腕を占領しながら楽しげに私がいかにドジなのか、抜けているのかを競うように語り出した二人を眺めているとふと私達に影が落ちた。


「?」
「「うわっ」」
「そぉか……名無しさんがたまにつけてたかすり傷やらなんやらの細かい傷は半分はお前らの仕業だったんだな……?」



「エリオット!」



眉間にしわを寄せた苦労性(本人自覚なし)のウサギさん兼帽子屋ファミリーのナンバー2のエリオットは両手で首根っこを摘みあげた双子を睨みつけながら「よぉ」と私に笑みを見せた。


「まったくお前らは!また仕事さぼってやがったな!?」


「うるさいよ、放せよ馬鹿ウサギ!」


「でかい図体が邪魔なんだよ、このあほウサギ!」



「だあああ!ぎゃあぎゃあうるせぇよ!」



「……」


……エリオットも十分うるさいと思うの、私。





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