アリス夢

□怖いもの
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私は・・・・・・ナイフが怖い。





恋人のグレイが私を守るためにナイフを振るった。

私のためなのに、私はグレイに怯えてしまって……それからずっと私は彼と距離を置いている。






ずっと、グレイの傷ついたような顔が、頭から離れないの・・・・・・。

















「君たちはそろそろ仲直りした方がいいんじゃないか?」



ナイトメアに呆れた顔でそう言われて、私はぐっと押し黙った。




「・・・・・・うるさい」



「うるさいとはなんだ、うるさいとは。せっかく心配しているのに」



むぅ、と眉をしかめるナイトメアから視線を逸らすと背後からすべて見透かしたような声で唄うようにナイトメアが呟いた。




「君が怖いのはナイフだが、今の君が怖がっているのはナイフじゃない。わかっているんだろう、本当は? 君が怖いのは・・・・・・」




「ナイトメア様」




ノックなしで部屋に入ってきたグレイの声にびくりと肩が震える。

私をちらりと見やってすぐにナイトメアに視線を移すと、グレイは呆れた声を出した。



「仕事をしてください。たまっている書類は山ほどあるんですよ」



「わかっているさ」



嫌そうに顔をしかめたナイトメア。甲斐甲斐しく世話を焼くグレイに背を向けて部屋を出る。





―――――私が本当に怖いのは・・・・・・。


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