アリス夢
□年齢差
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ゴーランドは甘やかすのが上手だなと思う。
「こんなおじさんだが、いいのか?」
私の告白を少し困った顔で受け入れてくれた彼。
おじさんとかそんなの関係ない。
その大らかな気性に心惹かれたんだから。
まぁ、大いに短気になるのも知ってるんだけど。
「あー、今日も疲れたなぁ」
休憩の時間帯、ぼふんとベッドに横になったゴーランドに紅茶を手渡して苦笑する。
「ずっと立ちっぱなしだもんね。今は夏だし余計にしんどいか」
ぽつりと呟いて、そういえば自分だけプールに連れて行ってもらっていないことに気が付いた。
「ねぇ、ゴーランド。プー…」
「あー、ねみぃな」
「え、眠いの?」
きょとんとした私の腕を抱き寄せて抱き枕よろしく彼はその髭の生えたあごを私に擦りつけた。
「ん、痛いよゴーランド」
あごをそっと押しやるように遠ざけるとゴーランドが私の耳元でくすりと笑った。
「…もっと痛くてもっと気持ちいこと、するか?」
からかいの色を微かに含んだ真剣な声にかぁっと一気に顔に熱が上った。
「ゴーランド!」
「はは! わりぃわりぃ。冗談だ。ちょっと眠らせてくれ」
「…おやすみなさい」
寝入ると同時にいびきをかきはじめたゴーランドの鼻をつまんでその顔を見上げて・・・・・・私はその唇を指でなぞった。
「・・・・・・好きよ」
それにしても私だってプールに行きたい。
もしかして仕事が忙しいから付き合えないって感じなのかな。
だったら一人で行こうかなぁ……。
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