遙か夢伍

□恋する瞳に
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儚げな女だ。

オレたちの神子姫様とは違った、真反対の美しさを持つようなそんな女性。



オレが一目で心惹かれたその人は、でも俺以外の男をただ愛おしげな瞳で見つめていた。



















「クリスマス、予定を空けておいて。オレと一緒に出掛けよう」





笑ってそう誘ったオレに彼女は驚いた顔をして、それからほんの少し笑みを口の端に乗せた。






「私でいいの?」




「名前がいいんだよ」





むっと言い返してから、ちょっと子供っぽかったかと反省した。

でも名前はそれに気分を害した様子も呆れた様子もなくにっこりと笑って「ありがとう」と言う。


そんな時、否応なく自分が彼女よりも年下なのだと実感させられて悔しい思いをするんだ。


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