遙か四

□裏切りの報いとその果てに
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この人に会うためにここに来たのだと、そう信じていた。





熊野の地をさまよい、運よく別当に拾ってもらえて養女として迎え入れてもらった。



そんな折りに出会った、愛しい人。





「君のことを、愛しています」





「弁慶さん・・・・・・」


驚く私を真摯に見つめ、彼は続けた。




「これまでこんなに愛しいと思った女性はいなかった・・・・・・愛しています、名無しさんさん」




ああ、この人が愛しい。


身を焦がすような想いに酔いしれ、そして彼からも愛される歓びを得た。


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