遙か四

□珍しく素直に2
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リンドウさんの部屋に引きずり込まれておろおろしていると、憮然とした顔で私を見下ろしたリンドウさんがさっとその場に座ると私の手を引いた。



「あの、リンドウさん」



「座って」


「え、でも」



「いいから、ほら」



そう言って促されたのはリンドウさんのあぐらの上。



「ええ!? あのそれはちょっと…っ」



「・・・・・・嫌だとでも?」



むっとした顔で私を見るリンドウさんに再びおろおろと困り切ってしまって、でも私はぐっと口を閉じるとその膝にそろそろと腰を下ろした。
でもリンドウさんは遠慮するなとばかりにぐっと腰を抱いて深く腰掛けさせてしまった。




「! あ、あの…っ」



顔が熱い。




「君は僕のなんだからさ」



「リンドウさん…」



「あんまり手を煩わせないでよ。首に縄なんてつけたくないからさ」




「縄・・・・・・?」



「・・・・・・僕は執着心がひどいんだ。気に入ったものなら、大切なものなら余計にぼろぼろになるまで何度も何度も・・・・・・本とか、本当にぼろぼろになるし」




見上げるリンドウさんの顔はほんのり赤い。

拗ねた様子の彼に思わずと言った感じで笑いが漏れ出た。



「・・・・・・つまりすごく好いてもらってる、って感じですか?」




「・・・・・・簡単に言うとそういうこと」


口を尖らせたリンドウさんに嬉しくなる。


彼は、私のことを好きでいてくれてる。

その事実に安心して、私はその胸元に頭を摺り寄せた。



「!」




「・・・・・・私も、リンドウさんが好きです」




「・・・・・・かわいいんだから」



「私のことをかわいいとか言ってくれるのはリンドウさんだけですよ」



「・・・・・・」



「? どうかしましたか?」



「・・・・・・とりあえず君は自分のこと理解した方がいいかもね」



「え?」



「・・・・・・まぁ、そのままでもいいか」



(かわいい嫉妬)
2013/03/21
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