遙か四

□珍しく素直に2
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私とリンドウさんの関係は、兄と妹から許嫁に変わった。



「名無しさんをリンドウにとられるとは・・・・・・解せんな」



「解せない・・・・・・私、やっぱりリンドウさんに似合わないですか?」

難しい顔をして腕を組んだ慶君にしゅんと肩を落とすと慶君が頭を振った。

「逆だ。リンドウには名無しさんはもったいない。どうだ、今ならまだ間に合う。私にしないか?」



「え? ええっ?」



悪戯っぽく目を細めて笑った慶君に驚きの声を上げると、背後から肩を抱き寄せられた。



「!」




「ちょっと慶君! 僕の目の届かないところで名無しさんを口説くのはやめてくれる?」



「面白い顔をしてどうした、リンドウ」



「面白くなんてあるわけないでしょ」



にやにやとおかしそうにわらう慶君と、噛みつくように話すリンドウさんと。



二人に挟まれて、仲がいいなぁなんて思っていたら慶君の手が私の頬に伸ばされた。




「男の悋気はみっともないぞ。なぁ?」


「だから触らないでって言ってるでしょ!」



ぱし、と慶君の手を遠慮なく弾き落としてリンドウさんは私を半ば抱えるようにして立ち上がらせた。



「ほら、行くよ」



「え? でも、リンドウさ・・・・・・」




「いいから!」



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