遙か四
□運命という名の引力10
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いろんな人を、裏切って、裏切って、裏切って。
自分の家族を守るため、なんてきれいごとを掲げて他の人の家族を奪う。
そんな生活に、疲れ切っていて。
汚れたオレの手は、いつだって血だらけで。
どんなに洗おうとオレの手は綺麗にはならなくて。
消えたい。
消し去りたい。
誰か俺を撃ちぬいてほしい。
何度。
・・・・・・何度そう思ったことか。
でもそんな中で見つけたただ一つの光。
『景時さん』
初めて、君のためだけに生きたいと思った。
―――――――これは、裏切りを続けてきたオレへの罰なのか・・・・・・?
「撃ってください、景時さん」
虚ろな瞳をした彼女に向けて構えた銃身が、オレの震えを感じ取りふるりと震えた。
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