遙か四

□運命という名の引力9
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「・・・・・・」










戦が始まった。





一進一退を繰り返すその戦は、勢力はこちらが劣勢だったものの士気は五分五分だった。









「名無しさんさん、こちらもお願いできますか?」




「はい!」




弁慶さんが診た後の患者さんの手当てを請け負う。




荷が勝ちすぎると正直思っても文句は言えない。だって人手が悔しいほどに足りないから。





「止血しますね」




「う、うぅ…」




「もう少しの辛抱ですよ」



私に出来ることを、精一杯。






それが今の私に出来る唯一のこと。

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