遙か四
□珍しく素直に
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「名無しさんは、リンドウさんの妹なの?」
不思議そうにゆきにそう尋ねられて私は苦い笑みであいまいに笑った。
「そんなもの、なんだろうね」
私はこの世界に来てリンドウさんに拾われた。
憧れ焦がれたこの世界に来られたことは嬉しくって……でも全て知っているから切なくて。
だってリンドウさんは、いつかあなたを好きになるんだもの。
いくら私がリンドウさんのことが好きでもそんなこと言えない。
言えばそばにもいられなくなるから。
それなら・・・・・・妹のままでいた方が、よっぽどいい。
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