乙女ゲーム夢4

□お年玉
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「ねーねー、みんなってさ、お年玉どれくらいもらうの? 俺はもらったことないからよくわかんないんだけどさ」


素朴な疑問を呈した音也に、真斗があごに手をあてて思案してから口を開いた。


「・・・・・・そう、だな。30万くらいか」



「「30万!?」」



音也と翔の驚く声が重なって、その声に真斗は首を傾げた。



「おかしいか?」



「オレは今年40万だったよ」



肩を竦めたレンに渋い顔をしながらトキヤがはぁとため息をついた。




「・・・・・・音也、翔。この二人は規格外です。あまり参考にしないように」



「そっかぁ……オレ、自分がもらうことってないからさ。みんなどれくらいもらってるのかなぁって気になってたんだよね。でも規格外か・・・・・・少し安心しちゃった。でもじゃあ相場っ

てどのくらいなんだろ?」




首を傾げた音也に、翔は少し考えるそぶりをした。



「あー…大体3万くらいかな。親とか親戚とかにもらうから」



「私も大体それくらいですね。年によって差はありますが……」



「僕もそれくらいですよ〜!」


「あ、そうなんだ?」


にこにこと笑顔で話に加わった那月に音也はなんとなく納得して頷いた。



「そっか。世間一般的に見たら三万円くらいなんだ・・・・・・」


「親戚づきあいの多さによってはかなり大きく違うとは思いますが」


トキヤが苦笑して「世間一般」の定義が広いことを示すと音也はこくこくと首を上下に振って笑った。



一つ勉強になったな、と思って。



「教えてくれてありがとう、みんな」



(お年玉)
2013/03/21

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