乙女ゲーム夢4

□いと愛ほし
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「この方がお前の許嫁になるのだよ」


そう言われて引き合わされたのは綺麗な少年だった。


一目で恋に落ちた。
見た目に恋をしたのかと聞かれればそうかもしれないし、身の内からあふれ出た何かを感じ取ったのかと聞かれればそうかもしれない。


なんにせよ、私は彼に恋をした。
















安穏と婚儀の日が訪れると思っていた私に入ってきた情報に目の前が真っ暗になった。




「千景さんが・・・・・・私よりも位の高い女鬼の下へ・・・・・・」




通っているのだと知って胸に空虚な穴が空いたように感じてしまった。




再三言われた。




『お前が位高い女鬼でよかった』と。




甘い声で。


甘い笑みで。





ああ、でもきっと。




鬼の頭領、これから先も強きお子を産むことを最優先に考えたあなたは。






―――――きっと。











私ではなくその人を選ぶのでしょう。



私にそれが耐えられる?


好き。


千景さんが好き。



こんなに人を好きになれるのだと驚いた。



好き。



愛してる。




愛してるから二番目でも三番目でもいいから傍に置いてほしい。




けれど一番に愛される歓びをもうすでに知っている。




そんな私がそれ以下の扱いを受けることに耐えられる?




そもそも・・・・・・他の女性を愛する千景さんを近くで見ていられる?



答えは否だ。










耐えられない。


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